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最後のデモシカ教師の不謹慎発言

かつて教師に「でも」なるかぁとか、教師に「しか」なれない、という理由で教師になり、学校現場に彩りを与えていたデモシカ教師。そのデモシカ教師の目で現在の教育の裏をあばき、悪態をつく(だけ)!なお、このブログはリンクフリーです…

置き勉と学力低下の微妙な関係

 今の中学校は、俺たち「おじいさんに片足突っ込んだおじさん」の頃とはかなり様変わりしているのだが、その中に「置き勉」をめぐる環境の変化がある。「置き勉」とは、まあようするに教科書だのノートだの、勉強道具を学校に置きっぱなしにすることで、家に帰っても勉強しない、できるはずがないというわけで普通は劣等生に見られる現象であったものだ。私なんかも、週に一度書道の時間があるときなんかはカバンが重くて手が痛くなり、苦労したことを思い出す。これが今の中学校では、
ち・が・う
置き勉しない生徒なんていないのだ。

 2年前、私の担任している生徒の中に、「置き勉をしない主義」の男子がいて、級友達の間で話題になっていた。「カバンが重い」「掃除当番が迷惑」というので話題になっていたのだ。私も持ってみてビックリ、重いなんてもんじゃない。まるで米俵か、鉄アレイでも中に入っているようだ。
「一体何が入っているんだ?出して見せてくれ。」というわけで(もちろん本人が快く承諾して)、ある日の帰りの会の後、中身を出してみると「これが社会の教科書(2冊)と資料集と地図帳とノートとファイルとワークと色鉛筆、これが国語の教科書と文法ノートとノートと漢字練習帳と漢字用ノートと資料集とファイルと…それでもってこれが技術家庭の……。」と、説明付きでキリもなく出てくる。「これ、省略できないのかよ」「無理ですよ。全部必要です!」……「うう……確かに…。」つまり、我々は簡単に「置き勉をするな」と指導していても、そんなこと現実にはとっくに無理になっていたのだ。彼は自転車通学だから何とかなるが、それでも教室から自転車置き場まで持って歩くのは大変だ。ましてや、徒歩通学者が置き勉をしないで済むなんて絶対にあり得ない!!ということが明白になってしまった。「置き勉」が通常のどの生徒にとっても「必要不可欠」になるのも当たり前である。

 この状態をどう見るべきか。
 まず、現代の教科書は全ページ色刷りというのが主流であり、俺たちの頃のようにわら半紙に毛の生えたような軽い紙に印刷されているわけではない。
 第2に、世の中が豊かになって、資料集なんかもほとんどの教科で副教材として準備されている。集金した学年費で購入するのだが、これがまた、いい紙を使っている全編色刷りの豪華本ばかり。
 第3に、プリントのファイルの多さがバカにならない。その理由は簡単、「ゆとり教育」とやらで授業時数が減った結果、教える内容を消化しきれなくなってしまい、生徒にノートを取らせる時間がない。だから、板書の内容を最初から印刷しておいて肝心な言葉だけをカッコ付きで埋めるようにして、時間を省いているのだ。ましてや、グラフとか図なんかは絶対描いてる時間なんかない。教科によってはファイル2冊なんてのもある。一つの教科でちょこっと1冊増えただけでも全教科では9冊。毎日の授業で持ち歩くのは4~6冊であり、生徒のカバンを圧迫する。

 しかも、ここにも数字に表れない「学力低下」の原因が転がっている。つまり、生徒達が字や図を書く「量」というのが壊滅的に少なくなっているという実態が、想像できるだろうか。指先を動かさないんだから脳みそだって動かないんだよ!とにかくこの「ゆとりカリキュラム時代」の子ども達が大人になったときに「あいつはゆとり世代だからね」なんて、後ろ指さされるようなことにならなければいいんだが。

 「ゆとり教育」と言い始めたとたんゆとりがなくなった、というのはよく聞くが、ゆとりがなくなったのは生徒の背中もだったんですね。こんな世の中に誰がした!!
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テーマ:教育問題について考える - ジャンル:学校・教育

コメント

まったく同感です。
特に置勉は家庭学習の放棄だとしか思えません。
学力低下の原因は結構こんな所かもしれませんね。
参考になりました。

  • 2007/06/16(土) 22:59:59 |
  • URL |
  • とよ爺 #-
  • [ 編集 ]

コメントありがとうございます。教育の「実態」は肌で感じることができる人しかわからないと思うので、これからも「肌で感じ」たことがあったらアップしていこうと思います。

  • 2007/06/21(木) 19:24:12 |
  • URL |
  • crabfaceguy #-
  • [ 編集 ]

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