最後のデモシカ教師の不謹慎発言

かつて教師に「でも」なるかぁとか、教師に「しか」なれない、という理由で教師になり、学校現場に彩りを与えていたデモシカ教師。そのデモシカ教師の目で現在の教育の裏をあばき、悪態をつく(だけ)!なお、このブログはリンクフリーです…

新たな符牒

 3月末から4月初めにかけてはクラス編成の時期である。3月中は、基本的なクラス分け(かなり手間がかかる)。4月に入ってからは、担任が誰になるかわかってくるので、それを前提に具体的な詰めの作業(最終確認プラスアルファ程度)になるのが普通かな。
 クラス編成を行うには、生徒一人一人について、様々な記号(個人情報)がついたカードを用意し、そのカードをまず期末試験なんかの得点順に並べて各クラスの平均的な学力がばらつかないようにし、それぞれのカードに着色されてたクラスカラーの数が新クラスでも均等になるように入れ替えをし、その他にもいろいろな記号をもとに微調整を行う。かつてよりも今の方が圧倒的に難しくなってるな~とは思うが、とにかく、この「クラス編成会議」でそれぞれの教員がどれだけ生徒のことをよく見てるかが、あぶり出されてくるようなところもある。また、「記号」についても、担任だけの主観的な判断でつけるわけでもない。
「コイツが二重マルって、そりゃないっしょ~」
「そうかにゃ~?キミは知らないかもしれないけど、けっこう使えるヨ~この子。」
「この子はバツつけなくてもいいんじゃない?ホニャララで怒られたとき以来がんばってるし。」
「そういえばそうかもね(言いながら消しゴムで「バツ」を消す)。」
なんて会話も頻繁になされる。
 で、おのおのの生徒を表すカードに記入されるその記号といえば、まず「行動」という欄に二重マルがついているのは品行方正なリーダーで学級委員として活躍が期待できる、マルはそれに準ずる生徒。一方、「バツ」がついているのは日頃の行状に問題があるヤツらだ。「二重バツ」とか「大バツ」なんて言い方をされるヤツは完全な不良、反社会的ということで「反」という記号を使うこともある。一方、仲間となじむのが苦手?な生徒には、非社会的ということで「非」という記号が行動欄に記入されることもあるが、昨今ではそういう区別はあまり意味がないのかもしれない、発達障害の一つの形、というくくりで認識される場合も多くなってきたので。「運動」欄に丸・バツをつけるのは体育祭なんかで圧倒的に強い(または弱い)クラスを作らないため(ふたを開ける前から勝負の行方が明らかでは行事が盛り上がらない)、また家庭環境で「マル母」だと母子家庭、ピアノが弾ける生徒には「P」、「低」と書いてあれば低学力、つまり全然勉強が出来ない。さらに重要なのは、誰と誰が一緒にはできないか、という条件のチェックである。双子の兄弟を初めとして、いとこ同士、仲の悪い同士、恋人同士?、仲の良すぎる同士(授業中おしゃべりしまくる)、親同士が犬猿の仲、小学校時代のしがらみ(小学校からの申し送りの資料も取っといてある)、イジメ=いじめられの関係など、多岐にわたる。その他にも、もちろんいろいろある。
 とにかく、実際に担任としてクラスを任される教師としてはあまりにも手間がかかる生徒ばっかり多く引き受けてしまえば、大変なこと(学級崩壊、毎日生徒を呼び出して説教、保護者との対応、最終的には担任自身が体調を崩したり、精神を病んで休職に追い込まれたり)になるので、冗談ごとでは済まされない。もちろん、生徒にとっても、あまりにも落ち着かないクラスができあがってしまって連日授業にならないということになれば、精神的にも学力的にもとんでもない不利益を被るわけだし。最初から問題を抱えた状態で学級開きをするなんて、できるだけ避けたいではないか。だが、クラスの数は限られてるから、全部が全部教師の思いの通り、生徒の満足できる通りにできるわけはない。例えば3クラスしかないのに不良が4人いた場合は一人ずつ別々のクラスというわけにはいかず、どこかのクラスは絶対に不良を2人抱えねばならなくなる。だからここは本音がぶつかり合う場だ。生徒にしても、この場でだけは、非人間的に記号化された1枚のカードとして、あっちこっちやりとりされる。そのカード一枚一枚にしても、ただ読んだだけでは全員がいい子ちゃんにしか見えない「指導要録」なんかとは違って、ズバリ真実が書いてある。(あんまり言いたくもない現場の状況だが、出版された本に著述されてる場合もあるから、特に秘密ってわけでもないだろうし、まあいいでしょ。)

 で(実はここからが本題)、俺は今年度、別の学年にスライドすることになったため、それまで縁のなかった学級編成会議に途中(4月)から参加する形になったのだ。それで、その会議において、その学年の音楽の授業の様子なども思い出しつつ、例のカードをじっと見ていたわけ。ところが、なんだか意味不明の記号が書いてあるカードが何枚か、というよりも何枚もある。
??なんだろう??
それぞれの生徒の様子とは妙に脈絡のないマークのしかたで、なんのことかさっぱりわからない。その記号とは「MP」。はて? …きいてみるか。
俺「なんですか、これ?」
学年主任「うん、これはモンスターペアレンツの記号だよ。」
俺「!!」
まさに驚き、どっひゃ~~である。クラス編成の条件に、「MP」という新しい符牒が加わったわけだな。俺は初めて見たよ、よその学校ではとっくに常識になってるかもしれないけど!
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テーマ:中学校 - ジャンル:学校・教育

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