最後のデモシカ教師の不謹慎発言

かつて教師に「でも」なるかぁとか、教師に「しか」なれない、という理由で教師になり、学校現場に彩りを与えていたデモシカ教師。そのデモシカ教師の目で現在の教育の裏をあばき、悪態をつく(だけ)!なお、このブログはリンクフリーです…

災難は忘れた頃に…

 部活の指導中に怪我をする、というのはよくある話だ。軽傷なんてしょっちゅう、場合によっては骨折などの重傷もそんなに珍しいことではない。何しろそれなりに成長した中学生が全力で動き回るわけだから、うっかりすればそれだけでも凶器と化すこともあるし、スポーツというのは必然的に危険が伴うものだからね。運動部の先生方を傍で見ていても、大変だな~と思うこともよくある。
 しかし、吹奏楽部で怪我をするなんて…。これまでやってきて、事故報告書なんて初めて書いたよ。
 この間の日曜日のことである。気温30度越えなので当然窓は全開である。まあ、いつものように練習をしていた。校舎のあっちこっち(うちの場合は空き教室か特別教室)に散って楽器ごとのパート練習をやり、それから音楽室に集まって合奏をやる。ところが、その合奏中に天気が急変したのだ。すごい風と共にいきなり強く雨が降ってきてあっという間に吹き込んでくる。曲を途中で止めて、急いで窓を閉めさせる。そこで気付いた。特別教室の窓って全開のまま?
「すぐにパート練習したところの窓閉めてきて!」
と指示を出す。何人かの生徒がすっ飛んで出て行く。しばし待つが、なんだか手間取っているな~と思ったその時、サックスの生徒が走ってきて、
「先生、Sさんが吹き込んできた雨で滑って転んで怪我をしました。後頭部から血が出ています。」
と(妙に冷静な口調で)報告した。
「ナニ~!」
といいつつも上半身から冷や汗が…という感覚が走る。急いで現場に行くとSさん(何と2年生の新部長)が後頭部を押さえて出て来るところだった。ワイシャツのエリのところが血まみれである。触ってみると後頭部の髪の毛を通してけっこう大きな血だまりっていうか、コブっていうか、がわかって、さらに焦る。これはまさに自分の手には余る。職員室に連れて行くと、教務主任の先生が(いつものように休日出勤で)仕事をしていて、すぐ対応してくれて、手分けして保護者に連絡、管理職に連絡、応急処置、などを同時進行で進める。報告に来た生徒もテキパキといろいろやってくれるが、なんだかこういうときは自分だけでくのぼうのような気がするのももどかしい。そのうち血まみれである自分に気付いたSさんが、
「気持ちが悪い」
といいだした。顔を見ると土色だ。頭打ったわけだし、やばい!というわけで救急車を呼んだり、部活の指導を中止して下校させたり、などさらに慌ただしくなる。救急車が到着して乗り込み、父親も到着し、という頃になって、やっと本人も落ち着いてきて、今度は涙ぐんでいる。ホッとしたのかな~。救急車に同乗して病院に行くと、幸運にもたまたま脳外科の先生が当番で、CTとったりして骨も脳も異常がないことが確認されて、一安心。医療用ホッチキス?で4カ所とめたということであった。
 あとで聞くと、本人は手に持っていた楽器を守るために受け身がとれなかったとか、目撃者によれば椅子の角に頭をぶつけたのだが、本人は床にぶつけたと思っていた、とかいろいろ出てきた。

 吹奏楽の部活でけが人が出るなんて希有のこととは思うが、実は以前にもあったのだ。15年以上も前のことになるか、やっぱり休日で、その日は外部指導者が来ることになっていた。そういうときは当番の生徒がお茶を出すことになっていて、事務室脇の給湯室で作業をしていたのだが、その時に足を怪我したのだ。なんと、前日に誰かがどこかのガラスを割って、その後始末で割れたガラスの破片をバケツに入れてあったのだが、大きな破片がバケツからはみ出した状態で給湯室に置いてあり、当番の生徒がそれに気付かずに足を擦ってしまったのである。その時も何針か縫ったのだが、なんと言っても痛恨だったのは、その時俺自身はそこにいなかったことである。というか、もう一人の顧問に頼んで、自分は所用で別の場所で別のことをしていたのだ。まさに臍をかむ思い、とはこのことであった。

 流血、といえば、こんなこともあった。講師だった頃のある1年生の音楽の時間。授業が始まってまもなく、一人の男子が何を腹を立てたのか、怒りの形相すさまじく前に座っている奴の後頭部をリコーダーで思いっきりブッたたいたのである。いきなり。俺の見ている前で。あっと思った時には相手の生徒はキャーッと女の子のような悲鳴を上げてたたかれたところを押さえたが、その瞬間にはボタボタボタっという感じで血がたれてきた。その後のことはあまり覚えてないが、叩いた方の、「こんなことになるとは思いもよらなかった」という驚きの表情は印象に残っている。怪我した生徒は野球部に入って丸刈りにしたばっかりだったので影響も大きかったのかも知れないが、二針縫ってしばらく頭に包帯を巻いていた。まさにいやな思い出だ。

 本当に、怪我をするときは思いも寄らぬシチュエーションで怪我をする。気をつける、といっても限界がある。ある意味祈るのみ、というところもあるかも知れない。交通事故だってなぜ?と思うようなあり得ないところでよく起こっているし。しかし今回は反省した。練習場所の管理、楽器の取り扱い、校舎内の行動、いろんなところで気を配るように指導しなければいけない。というか指導に気を配る、というか。うっかりで済まされることではない。
スポンサーサイト

テーマ:部活 - ジャンル:学校・教育

教員免許状更新講習2年目

 結局、民主党がでくのぼう過ぎて、教員免許状更新制廃止の話は全く手つかずのまま。昨年度は「必修」関連の講習を受けたので、今年は「選択」ということで何か音楽関係のバカバカしいのはないかいな、とのんびり探していたのが失敗であった。日々の多忙に紛れてふと気づけば、どこの大学の講習も定員オーバーキャンセル待ち、という有様である。
「このままじゃ失効になっちゃうぞ~(教頭)」
「何とかしてくださいヨ~~(校長)」
というプレッシャーの中、いろいろ探すが、要するに去年の段階で廃止になるかも知れないからって更新講習を受けるのを待った連中が、大挙していろんな講座に殺到した、ということらしい。去年行った駅弁大学なんかもちょっと面白そうな講座があったので受けるつもりでいたら、とっくの昔にいっぱいである。「印象派以後の作曲技法の諸相」なんて話、聞いたってたいていの教員じゃどうせワケがわからないだろうに。全く。

 マ、結局のところモタモタしていたこっちの責任だ。普段ならハナも引っかけない(というのも失礼な話)名前を聞いたこともない大学の講座でもいいから何しろつじつま合わせをしなければ、と探しまくったら、まあどうにか予約を取ることができた。3日間、電車に1時間半も揺られてさらに駅から15分も歩いて通う。何十年ぶりの難行苦行だ。いつもそうしている人々は偉いのう。

結論。
初日…すごく面白かったです!
2日目・3日目…メッチャためになりました!

初日、歌舞伎の黒御簾音楽についての実技講習。歌舞伎の下手側の黒御簾の中なんて、日頃見たことがない、というより通常そこに特化して興味を持つなんてこともないからね。大太鼓をつかって、波音や雨音や雪音(!そんな音存在しないのにね。江戸時代の人の感性は独特である。)や幽霊の登場なんかをやったり、さまざまな効果音専用の道具なんかを鳴らさせてもらったりして、大いに感心した。
SBCA0526s.jpg
とにかく、ある一つの効果音を作るのにメチャクチャこだわり抜くのだ。日本人の真骨頂ここにあり、だね。昔テレビで見たことがある、NHKのラジオとかの効果音を作るための道具にも相通じるものがあるのは偶然ではないであろう。

 さらに、三味線の実技!これはゴージャスだ。
SBCA0527s.jpg
かっこよく和服を着こなした女性が講師で、それだけでも非日常の雰囲気満点で楽しい。楽器は10棹あるが受講者は18人いるもんだから、2人に1棹だ。それなりの時間三味線をいじれる機会なんてそうないから、これは得難い体験と言えるであろう。さくらさくらとか弾き唄いしちゃったりして、なかなかグレードの高い講義である。

(文科省は何をトチ狂ったか、中学生に必ず和楽器をやらせなければいけない、という学習指導要領を作ったのだが、おそらく中学生に一番ウケがいい和楽器は三味線である。しかしこれはメンテナンスや指導がやっかいで手間と時間がかかるうえ、楽器の単価もバカにならない禁断の果実だ。そもそも、授業で使うほど(最低6台?)三味線の数をそろえるなんて、まあやってる人もいるが、簡単にできることじゃない。ここ何十年かでいったいどれだけ学校の予算が削られたと思っているのか。そんな中で和楽器やらせろなんて、どこの財布を当てにして言ってるのか。ホント、机の上だけでものを考える役人は脳天気だ。こっちはため息しか出ないさ。)

 さて、2日目と3日目、指揮法についての研究なのだが、これは実に有意義な講義であった。というより、最初っから個人レッスンの趣だ。いい年した20年選手なんかに
「あんたの振り方が悪いから吹奏楽部の中学生が困ってますよ」
なんて、言ってくれる奇特な人なんて、まずいない。つまり長年の間に悪い癖をつけちゃった音楽の教師はけっこう存在するとうことでもあり、俺の最も恐れるところだ。それを、

・最初にあいさつ。
・「もう一回お願いします」はなぜもう一回なのか、必ず言え。
・何時までやる、と必ず予告して、それを絶対守れ。
・肩を動かすな。
・3拍以上目線を下げるな。
・打点ははっきりくっきり。
・必要ないことは言うな。
・立った姿勢をキレイに。前屈みになるな。
・感情は体にためて、出さないように我慢しろ。
・手首は動かすな。
・歌手や演奏家に主導権を渡すな。
・指揮者は絶対権力者なんだから、自分が思っているよりでかい音や小さい音、イメージとテンポが違ってたなんて、あっちゃいけないことだ。
・嘘でもいいから、演奏者より一万倍も大きい音楽性を持っている、と思い込んでなきゃダメだ。

なんてことをズバズバ言ってくれるわけだから、これはありがたい!まさに得難いチャンスであった。
二日目はあるオペラの一部を受講生同士で指揮をしたり練習ピアノを弾いたりしてやり合い、3日目はさらに「持ち時間7分である楽曲の所定の場所をリハーサルする」という課題をこなす冷や汗まみれの時間となった。講師は長くウィーンと東京の二重生活を続けている指揮者兼作曲家。思いも寄らぬ超ハイグレードの講座を3日間も受けて、まさに教師としての姿勢リフレッシュである。
 それなのに、他の受講生の何とレベルの低いことか。あそこに集まったのは確か、中学高校の音楽教員のハズだよな~。全然ピアノが弾けない、というのは専攻のこともあるからまあ百歩譲るとして、リズムわからない、楽譜読みこなせない、声出せない。指揮の図形の形も作れない、って、コイツら本当に音楽の教師なのかいな。免許が交付されてから10年目20年目の現役教師のはずなのに、いったい今まで何を身につけてきたのだろう?!こんなんでいいのかな~、ニッポンの教育。

テーマ:教師の休日 - ジャンル:学校・教育

FC2Ad