最後のデモシカ教師の不謹慎発言

かつて教師に「でも」なるかぁとか、教師に「しか」なれない、という理由で教師になり、学校現場に彩りを与えていたデモシカ教師。そのデモシカ教師の目で現在の教育の裏をあばき、悪態をつく(だけ)!なお、このブログはリンクフリーです…

どういう教育してるんだ!「学校」に求められるもの


これだけ「学校」の権威が地に墜ちているというのに、なにかコトが起こると相も変わらず言われる言葉、「学校は何を教えてるんだ!」。
 これにはなんと言って返事をすればいいのだろうか。まあ、大概電話で怒りをぶつけてくるのだが、たとえば、
例1
「きのう、オマエのところの中学生が、下校途中でうちの垣根のツツジの花をむしり取って捨てていったぞ。どうしてくれるんだ。百歩譲ってむしって持って行くのはかまわないが、その場で捨てるとはどういう奴らなんだ!そもそも、どういう教育をしてるんだ!」
例2
「道をいっぱいにひろがって歩いている中学生がいて、通行の邪魔だったので、運転席から注意したら、“こんな道に車で入ってくる方が悪い”といわれた。(通学路なので朝は車両通行止めになる)こっちはそこに家があるから通っているのに。だいたいこの道だって、お宅の中学校ができるというからウチとかがわざわざ土地を市に分けてやってできた道なんだぞ。それなのに何だ!それに自動車を車庫に入れるところをソイツらに見られてしまった。何かされるんじゃないかって心配だ。どうにかしろ!」
ま、あげていったらきりがないであろうが…。
確かに昨今の中学生の行儀の悪さといったら、そもそも「行儀」という言葉が死語だからね。ヒトが見てても平気の平左で自分の思ったとおりのことをやっちゃう。人に見られていなくても行儀悪ができにくい俺(達の世代)なんかから見たら、まさに驚異の世界である。
 気持ちはわかるんだけど、何でもかんでも学校に尻を持ち込まれてもねえ。上にあげた例なんかはやっぱり学校が悪いと考えるべきなのだろうか。正直、こういう電話が入っても俺たちはウンザリである。だいたい、そういう電話の対象になる連中なんかは誰だかわかっているようなモンなのだが(電話をかけてくる方だって誰だかわかってたりするし!本人に直接言ってくれよ!)、ソイツらと来た日には当然、学校内でも常に様々な問題を起こしていて、こっちはその対応にいっつだってあくせく駆け回らされているのだ。その上、通学途上の問題なんか報告されてももはや飽和状態である。相手だってしらばっくれて聞く耳なんか持たないし、よしんば自分だと認めざるを得なくなっても、こっちの説教なんか聞き飽きていて何の役にもたたない。
 そもそも、校外で起こったこういう問題というのは、学校では対応しきれない。一つの中学校にいる教師はせいぜい2~30人で、2~500人の中学生の面倒を見ている。日々の様々な仕事に追い回されて教師はほとんど学校から外に出られる余裕なんかないし、出たところで広い学区の隅々に目が行き届くわけなんかない。
電話をかけてくる方もそこまでは要求していないのであろうが、だったら
「学校は何を教えてるんだ」
「どういう教育をしてるんだ」
という苦情は、まあ普通に考えて、そういう不道徳なことはしないように、日頃から教えといてくれ、ということになるのかもしれない。もともと、
「国の有為の人材となって世のため人のためにお役に立てる人間になるよう、学校でしっかり勉強しなさい(させなさい)」
というテーゼのもとに、国民が歯を食いしばって若い連中を学校に送り出してきた、というこの国の歴史もあるからね。逆に言えば、
「学校に行ってれば、立派な人間になるはずだ」
という考えも成立するわけだ。実際俺が大学生になったばかりの頃は、あちこちから
「大学生のくせにそんなことも知らないのか。そんなこともできないのか。」
といわれまくったものだった。その当時は大学にすら行けなかった学歴コンプレックスの大人達がやっかみで言ってた、と思い込んでいたものだったが、今にして思えば、学校に行ってる人間たるもの、そういうことでは困る、という世の中の思いが、確実にあったのだ。
 だが、明治5年学制発布以来のそういう国民のコンセンサスも今は昔、学校が立派な人間を作る、という神話も完全に崩壊してしまった。(というか、誰かさんが意図的にたたき壊してしまったというか。)そして特に、学校に行かされてる側、すなわち生徒にしてみれば、学校に行くことによって立派な人間になろう、なんて毛ほども思っていない。つまり種がまかれてないのだから、俺たちがいくら水をくれても芽なんか出てくるわけもないのだ。つまり、地域住民がそういう(昔の名残の)怒りを学校に向けてくるのは、今では全く意味のないことである。
 そして、そういう電話を受けた学校の教師は、取りあえず
「申し訳ありません、指導しときます。」
と頭を下げつつも、
「それは警察に言ってください。」
と心の中で、(あるいは管理職なんかは実際に声に出して)その電話の主に言うのである。
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