最後のデモシカ教師の不謹慎発言

かつて教師に「でも」なるかぁとか、教師に「しか」なれない、という理由で教師になり、学校現場に彩りを与えていたデモシカ教師。そのデモシカ教師の目で現在の教育の裏をあばき、悪態をつく(だけ)!なお、このブログはリンクフリーです…

高校入試は親の仕事?

以前に書いた受験指導は不親切に決まってるという記事に、最近拍手コメントをくださった方がいて、なかなか面白い(と言っちゃ失礼に決まってるが)というか中学生の保護者としての実感を典型的に示しているように思えるので、紹介しようかと思う。このコメントが来たのは3学期が始まってからだったが、憤懣やるかたない思いもさめやらぬ、生々しい迫力(状況が目の当たりに見るようだ)があり、よその学校のこととも思えない。この人がどこの人かは知らないが、一応ウチの県の事情を元に説明を加えてみようか。
(傍線は引用者、多少句読点を追加した他は原文のまま)

高校受験生の保護者です。私立高校は偏差値で確約を出して①試験前の相談会できまってしまう現実を目の当たりにしました。それなのに中学校で偏差値という言葉を聞くことはないまま、②個別面談ではまさに受験校の確認作業、担任はいくつ調査書が必要なのかを確認したいだけ?相談する余地はまるでないまま、③受験できるのは日程から3校までと第三志望以下にさーッと線を引かれ、第三志望にも④通学には遠いと更にこちらの話を聞かずさーッと線を引かれました。調査書の数を減らしたいだけ?あげくのはて⑤年末年始は仕事しませんから、と⑥この段で迷ってる場合ではないと言わんばかりの対応でした。願書を確認するための一覧を出させたものの⑦下書きで提出し不明で書けないでいるとことも特に指導なく○(マル)、清書確認欄は空白のまま願書発送、第二志望の推薦書(高校側は誰が推薦して良いとの案内)に戸惑っていたので担任にお願いしたところ、⑧確約が取れていれば誰が書いても落ちないからお母さんに書いてもらえ、と持ち帰ってきました。理解できる説明ではなく教育者の答えとは思えません。⑨問題を起こしたことなど全くなく学校生活を積極的に取り組んできました。中学校の進路指導、疑問です。


①…まさに以前書いたとおり。だが、初めて目の当たりにすれば、その非人間的な現場の実情に戦慄する感性をお持ちの保護者も多いことであろう。
②…それはそうだ、昨今ではほとんど本人・保護者が中学校の指導を待つまでもなく自分で受験校を決めてくるのが常識となってしまったからね。こちらが心配するような作戦でも(塾と相談して)勝手に進めちゃって、いつの間にか受験校が増えてたり変わってたり、というのも日常茶飯事であり、面談では一人あたりの持ち時間の関係もあって「受験校の確認作業」が精一杯である。
③・④…これは担任の説明不足を感じる。家内(およびそのネットワーク)の経験によると、小学校教師に比べて中学校教師は「そんなのわかってて当たり前でしょ」と、説明を省略する傾向が強いというが、この場面でそれがイヤな形で現れちゃったのかも知れない。特に、④の通学が遠い云々は、一人一人の高校への思い(たとえば出身中学の生徒ができるだけいない高校へ行きたいとか)もあるわけだから、ちゃんと本人に話を聞くべきだろうね。問答無用でさーッと線で消しちゃうのはまずい、誰だって不快に決まっている。
⑤…昔の3年担任は冬休みは暮れも正月も含めて一切休めなかった。調査書はA3とかのでかい書式に一枚一枚、文章をギッチリ手書きしなきゃならなかったし、私立の調査書も公立とは別の、それぞれ独自の書式があって、いちいち記述内容も求めるものが違うし(たとえば遅刻早退の回数など、公立の調査書で書く必要のないデータ)、それもすべて手書きせねばならず、3年の担任となれば冬休みはほとんど年賀状を書くヒマどころか寝る時間さえもかなり削る覚悟を固めねばならなかった。さらに、最後に自分の私印の他に校長の職印をもらわねばならないから、当然校長も正月からは学校に詰めきり、できた調査書は学年職員総掛かりで、それぞれの高校宛に宛名書き(通常はなぜか3学年主任が毛筆でしたためる)をした封筒にいちいち中身を照合しつつ袋詰めして…といったあわただしい有様だった。しかし、今はすべてパソコンでデータを作ればもう自動的に完成、しかも12月中旬にはその内容は保護者に開示する関係もあって、副担任なんかが夏休みあたりから作業を始めて最後には(一部の内容は担任さえも知らないまま?)突貫作業で完成させちゃうから、担任も冬休みは意外にヒマになっている。となれば、教師だって人の子だから郷里に帰ったり遊びに行っちゃったり、という予定ができてくる、というものである。だが、そんな事情はそれなりの言い方をするべきだね。本来なら暮れから正月なんて休むに決まってるんだけど、受験生やその保護者にしてみれば重大な問題を戦うに当たってのステーションみたいなモンなんだから。
⑥…2学期末には、確かに「この段で迷ってる場合ではない」はずである。私立の過去問をやるにしてももう秒読み段階のはずだし、年が明ければすぐ出願である。正月明けから始業式までの短い期間にそれぞれの受験する私立宛の調査書や推薦書その他をこっちは準備しておかなければならない。それなのに、年明けと同時にいきなり「受験校変えました。塾に言われて。」などとほざいてくる大タワケ者も最近では多いのだ。もちろんそうなると調査書なども(受験校名が記入してあるので)すべて作り直しだし、その他の仕事をいっぱい抱える担任にしてみれば、学期明けの超忙しいところなのに、さらにてんてこ舞い舞いになってしまう。
⑦…こりゃちょっとマズくないかい?
⑧…これも(言ってることは確かにその通りなのだが)説明が親切じゃないんでないかい?何ならワタシが書きますよ、ぐらい言ってやってもいいんでないの?
⑨…これは、親にしてみればそう言いたくなる気持ちもわかる。でも、特にえこひいきをしてこうなっているのではないであろう。結局、不親切なのだ、構造的に。

 このように、お互いにもともとわかり合えない同士が、わかり合う努力をしないんだから、不満ばっかりつのっていくのは当然である。だが、親の方は合否に対して(かなり直接的に)責任が重くなっているとはいえ、少子化で我が子の高校入試が初めての人だって多くなってるはずなんだから、そこのところの理解は教師の側がもっと深めねばならないであろう。歩み寄っていくべきなのは教師の方じゃないのかねえ。
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テーマ:高校受験 - ジャンル:学校・教育

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