最後のデモシカ教師の不謹慎発言

かつて教師に「でも」なるかぁとか、教師に「しか」なれない、という理由で教師になり、学校現場に彩りを与えていたデモシカ教師。そのデモシカ教師の目で現在の教育の裏をあばき、悪態をつく(だけ)!なお、このブログはリンクフリーです…

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生徒からの褒め言葉

 昭和末期のある12月1日、俺は突然教師になった。その日からさっそく授業だなんて困ったものだが、産休代員なんてそんなもんだ。事前研修みたいなものなんて何にもない!そういう、システムのあまりのいい加減さに内心は驚愕しつつ、生徒には素知らぬ顔で教壇に立つわけだが、スキルなんて何にもないのは歴然としている。

 特に困るのは「生徒指導」だ。生徒はこっちの顔を見つつ、(どこまでコイツは見逃すのか)をきっちり計測する。俺としても、(こりゃマズいんじゃないのか)と思えることでも、昨日まで「普通の人」だった身としては、なんだかケダモノのように見える中学生どもに
「こりゃ~!」
なんて怒鳴ることにはためらいがあり、一瞬躊躇してしまう。(その一瞬の躊躇を見切られる。)また、後から考えればヤバイのかもしれないことや、こっち(素人教師)は何とも思ってないというものも、そのままあっちのゲインになっちゃうから、なめられる一方なのだ。

 だが、それでも、本当にやばかったりすれば(例えば音楽の授業中にこれ見よがしにウォークマンを聴いているとか)何とかせにゃならない。相手はなめてるわけだから、こっちのいうことなんか無視して、そういう「ワルいこと」を平然と続ける。まわりの普通の連中もこっちの対応を注視している。当時はまだ「ぶん殴る」というのも選択肢のうちにアリだったのだが、それは先生と生徒との関係がそれなりに出来てなければ無理なんだから、俺としても、言葉を尽くして何とかやめさせようとするしかない。何度も何度も。そういうときに俺が不良連中に不機嫌極まりない顔でしょっちゅう言われた言葉がある。それは
「しっつけ~な!」(訳:しつこいですね)
当初、そういわれて、俺は一瞬ためらってしまうのが常だった。でも、放っとくわけにいかないでしょ?だから結局何といわれても、不良のそばから離れられないわけだ。文句を言い続けなければいけないわけだ。で、重ねていわれる。
「しっつけ~んだよ!」
何ヶ月かしてから、気がついた。これは俺に対する褒め言葉だ。まあ、褒めてるつもりはないんだろうが、少なくとも俺に対する評価にはちがいない。だとすれば、しつこい、っていうのは、この場合悪いことじゃないでしょ?つまり、俺は生徒から褒められている?!と、思うことにしたのだ。
 で、それからというもの、多少は気持ちが楽になった。何しろ、適当な言葉もないし技術もないし、生徒に手をあげることも出来ない教師なんだから、しつこくやるしかないんだもんね。
 考えてみれば、ちゃんと生徒に向き合えば、生徒にはうるさがられるに決まっている。それを不良どもははっきりと言葉にして言ってくれるわけだ。だから、
「うるーせ~な!」「いちいちうるせーんだよ!」「しつけぇよ」「さわるんじゃね~よ」と、投げつけられる言葉は俺たちにとっては勲章だ。

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テーマ:教師のお仕事 - ジャンル:学校・教育

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